副業を始めるにあたって、多くの人が最初に抱える不安が「副業は違法ではないのか?」「会社にバレないか?」という点です。インターネットやSNSにはさまざまな情報があふれていますが、中には誤解を招くものや危険な情報もあります。
結論から言うと、副業は違法ではありません。しかし、正しい知識を持たずに始めると、会社とのトラブルや税金の問題につながるケースもあるため注意が必要です。
この記事では、初心者が安心して副業を始められるように、法律・就業規則・税金・バレるリスクなどの観点から正しい理解と対策を解説します。
副業は違法?まずは法律的な基礎を理解しよう
副業は法律で禁止されていない【結論】
副業は法律で禁止されていません。労働基準法やその他の法律にも"副業禁止"という規定はありません。むしろ、国は副業を推進しています。
厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、副業解禁を後押ししています。
それでもトラブルになるのはなぜ?
法律では禁止されていないにもかかわらず、副業が問題になることがあります。その原因は以下の3つです。
- 会社の就業規則で制限されている
- 競業避止義務(同業他社で働くことの禁止)に違反
- 職務専念義務(本業がおろそかになってはいけない)に違反
就業規則で副業が禁止されている場合は?
副業が違法ではなくても、会社独自のルール(就業規則)に違反すると懲戒処分になる可能性があります。
就業規則の例:
| 会社の方針 | 副業ルール |
|---|---|
| 副業を推奨 | 届け出不要 |
| 条件付きで許可 | 申請が必要 |
| 副業を禁止 | 懲戒対象になる可能性 |
副業を始める前に絶対にやるべきこと
→ 就業規則を確認する(社内ポータル / 総務)
副業が違法になるケースはあるの?
副業そのものは違法ではありませんが、やり方次第では違法になるケースがあります。
次は「副業が違法と判断される可能性があるケース」について詳しく解説します。
副業が違法と判断される可能性があるケース
副業そのものは合法ですが、次のような場合は法律違反になる可能性があります。
違法になる副業の例
| ケース | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 著作権侵害 | 他人の著作物を無断利用 | 漫画や音楽の違法コピー販売 |
| 詐欺行為 | 他人をだまして利益を得る | 情報商材詐欺・副業塾詐欺 |
| 会社の機密情報漏えい | 本業情報の持ち出し | 営業リストを副業で使用 |
| 競業避止義務違反 | 同業で利益提供 | 会社と同じサービスを個人提供 |
| 申告漏れ | 税金を申告しない | 無申告・脱税行為 |
副業は法律だけでなく、社会的な信用リスクにも注意する必要があります。
副業は会社にバレるのか?
結論:バレる可能性はあります。
ただし、正しい対策をすればバレるリスクは大幅に減らせます。
バレる原因のほとんどは「住民税」
会社に副業がバレる原因の第1位は、次の通りです。
| バレる原因 | 副業バレの理由 |
|---|---|
| 住民税 | 副業分の住民税が給与に反映されて発覚 |
| SNS・発信 | 実名や顔出しで活動している |
| 同僚からの噂 | うっかり話す・副業を公開する |
| 取引先経由 | 名義が一致して発覚 |
| 会社の申請書類 | 収入や税関連の提出で発覚 |
会社に副業がバレないための対策
バレる原因を理解すれば対策は簡単です。
バレないための実践的チェックリスト
住民税を「普通徴収(自分で納付)」にする
本業と同じ取引先・同業で副業しない
本業の勤務時間中に副業の作業をしない
副業用のメール・電話番号を分ける
SNSは本名で活動しない(特に副業内容を出さない)
住民税の対策が最重要ポイント
副業の収入が年間20万円を超えると確定申告が必要ですが、その際に住民税の徴収方法を必ず変更しましょう。
- 【必須】確定申告の書類で
→ 「住民税は自分で納付(普通徴収)」にチェック
これを忘れると、副業分の税金が本業の給与から天引きされ、会社に通知が行きます。
この次は、副業のリスクと安全に進めるための対策について解説します。
副業のリスクと安全に進めるための対策
「副業は稼げる」という情報ばかりが目立ちますが、実際には次のようなリスクも存在します。
副業の主なリスク一覧
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 体力・メンタル面の負担 | 本業との両立で疲労が蓄積 |
| 労働時間管理の問題 | 過重労働になる可能性 |
| 税金・手続きのトラブル | 申告漏れ・延滞金 |
| 情報商材・副業詐欺 | 高額塾・怪しい副業に誘導される |
| 本業への悪影響 | 納期遅延・睡眠不足で本業に支障 |
安全に副業を続けるための5つの対策
副業を安全に進めるためには、次のポイントを意識しましょう。
- 副業時間は週10時間以内の計画から始める
- 本業と利害関係のないジャンルで始める
- 契約内容や報酬条件は必ず確認する
- 怪しい高額副業に手を出さない(詐欺対策)
- 収入管理と確定申告は早めに対応する
やってはいけない危険な副業の例
以下のような副業は絶対に注意してください。
- 「簡単・誰でも稼げる」高額副業案内
- LINEで副業紹介 → 実態は投資詐欺
- 情報商材・高額副業スクールへの誘導
- マルチ商法(MLM)への勧誘案件
- 詳細を明かさず「秘密の副業」と宣伝しているもの
迷ったら「契約書があるか」「相手は匿名か」を確認
匿名や副業名を隠す案件は100%危険です。
副業のトラブル事例
| トラブル | 内容 |
|---|---|
| 報酬未払い | 個人契約の副業でトラブル |
| 情報商材詐欺 | 「スマホで月30万」系に多い |
| アカウント凍結 | メルカリなど規約違反で停止 |
| 身バレ | SNS、副業ブログで実名バレ |
| 税金トラブル | 申告忘れで延滞金 |
相談できる公的機関
副業でトラブルが起きた場合は下記の公的機関に相談できます。
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 消費者ホットライン(188) | 副業詐欺・情報商材 |
| 国民生活センター | 契約トラブル |
| 労働基準監督署 | 労働問題 |
| 税務署 | 確定申告 |
まとめ|副業は正しい知識で安全に進めよう
副業は違法ではありませんが、法律・就業規則・税金・リスク管理を理解していないとトラブルにつながることがあります。
この記事のまとめ:
- 副業は法律で禁止されていない
- ただし就業規則には従う必要がある
- 会社にバレる原因の9割は「住民税」
- 住民税は「普通徴収」にすれば対策可能
- 副業詐欺や高額情報商材には注意
- 正しい準備とリスク対策が安全副業のカギ
次の記事では、初心者に安全な副業の選び方についてさらに詳しく解説していきます。


