はじめに:青色申告は「副業を本気でやる人」の強力な味方

副業が軌道に乗ってくると、誰もが一度は耳にする言葉──「青色申告」

「青色申告ってよく聞くけど、何が違うの?」
「開業届を出すだけで税金が安くなるって本当?」

結論から言えば、青色申告は**節税・信用・管理の三拍子がそろう“本格派向け制度”**です。
特に副業でも「継続的に収入がある人」「確定申告を毎年する人」にとっては、必ず押さえるべき最重要制度といえます。


目次

  1. 青色申告とは?白色申告との違い
  2. 副業でも青色申告はできるの?
  3. 開業届と青色申告承認申請書の出し方
  4. 青色申告3つの方式(10万・65万控除)
  5. 青色申告の主なメリット5選
  6. 青色申告を行うための条件と注意点
  7. 帳簿付け・会計ソフトの使い方
  8. 開業届の記入例【副業向け】
  9. 節税効果シミュレーション
  10. まとめ:副業でも「青色申告」で収益を守る時代へ

1. 青色申告とは?白色申告との違い

確定申告には「白色申告」と「青色申告」があります。
青色申告は、帳簿をきちんとつける代わりに大幅な税制優遇を受けられる制度です。

比較項目白色申告青色申告
控除額なし最大65万円
帳簿簡易(単式)複式簿記が必要(ソフトで可)
赤字繰越不可3年間繰越可能
家族への給与経費にできない「青色事業専従者給与」で経費OK
開業届の提出任意必須(開業届+承認申請書)

2. 副業でも青色申告はできるの?

はい、会社員の副業でも可能です。
条件は「開業届」を出して、個人事業主として申請することだけ。

副業でも以下のようなケースなら十分対象になります。

  • アフィリエイト・ブログ・せどりなどで毎月収益がある
  • ライター・デザイナー・動画編集などで継続的に受注している
  • ココナラやSkebなどで定期的に報酬を得ている

ポイントは「継続的に利益を得ているかどうか」。
1回限りの単発案件ではなく、副業が“事業”として成立していることが前提です。


3. 開業届と青色申告承認申請書の出し方

青色申告を行うには、まず以下の2つの書類を税務署に提出します。

必要書類

  1. 個人事業の開業・廃業等届出書
  2. 所得税の青色申告承認申請書

提出期限

  • 開業日から 2ヶ月以内
  • すでに副業している人は、次の3月15日までに提出でOK

提出方法

  • 税務署の窓口・郵送・e-Taxいずれでも可能
  • freee・マネーフォワードで自動作成→郵送完結も可能

4. 青色申告3つの方式(10万・55万・65万控除)

方式控除額条件
青色申告10万円控除10万円簡易帳簿でもOK
青色申告55万円控除55万円複式簿記・電子申告なし
青色申告65万円控除65万円複式簿記+電子申告(e-Tax)

freeeなどのクラウド会計を使えば、ほとんどの副業者が65万円控除を目指せます。


5. 青色申告の主なメリット5選

メリット内容
① 最大65万円の控除所得税・住民税が大幅に減る
② 赤字の繰越が可能3年間繰り越して翌年以降の利益と相殺
③ 家族への給与を経費にできる家族が業務に関わる場合の人件費を計上可能
④ 節税+融資面で有利銀行・自治体補助金の審査で信用アップ
⑤ 経理が整う売上・経費の可視化で経営判断しやすい

副業で年収が増えるほど、青色申告の効果は顕著になります。


6. 青色申告を行うための条件と注意点

  • 正確な帳簿をつけていること(会計ソフトでOK)
  • 開業届と承認申請書を提出していること
  • 青色専従者給与を払う場合は事前届出が必要
  • 虚偽申告・帳簿不備があると控除取消の可能性

7. 帳簿付け・会計ソフトの使い方

現在はほぼすべての副業者がクラウド会計ソフトを利用しています。

ソフト名特徴
freee会計自動仕訳が強力。初心者に最適
マネーフォワードクラウド家計簿連携+スマホ対応
やよいの青色申告伝統的UIで税理士対応にも強い

銀行口座・クレカを連携しておけば、自動で経費が分類されるため手間が激減します。


8. 開業届の記入例【副業向け】

記入項目記入例
納税地自宅住所
職業Webライター、物販業、デザイン業など
屋号任意(ブログ名・屋号があると信頼性UP)
開業日初報酬を得た日または副業開始日
申告の種類青色申告

開業届は1枚、5分で書けます。提出後は「個人事業主」として活動できます。


9. 節税効果シミュレーション

例:副業で年間所得100万円の人

  • 白色申告 → 控除なし → 課税所得100万円
  • 青色申告65万円控除 → 課税所得35万円

税率10%の場合:所得税6.5万円 → 3.5万円 → 約3万円節税!
住民税も10%軽減されるため、合計約6万円の節税効果になります。

さらに経費を計上すれば実質税負担は数万円に抑えられます。


10. まとめ:副業でも青色申告で「節税+信用」を手に入れる

  • 青色申告は副業者でも利用可能
  • 開業届+承認申請書を提出すればOK
  • 最大65万円控除+赤字繰越など節税効果抜群
  • 会計ソフトで簡単に実施可能
  • 税務上の信用が上がり、融資や事業拡大にも有利

青色申告は「副業を趣味から事業へ」進化させる第一歩です。
収益が月1万円を超えたら、今すぐ準備を始めましょう。


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