はじめに:経費を知らないと副業の税金は減らせない

「副業の確定申告って、何を経費にできるの?」
「どこまで入れていいのか分からない」

──これはほぼ全ての副業初心者が最初に悩むポイントです。

副業の税金は、

所得(収入 − 経費)に対してかかる

つまり、経費を正しく計上すれば、支払う税金を減らせるということです。
この記事では、在宅副業の人が知っておくべき「経費にできるもの・できないもの」「按分の考え方」「税務署に指摘されにくい管理方法」を詳しく解説します。


目次

  1. 副業における「経費」とは?基本の考え方
  2. 経費にできるもの一覧【ジャンル別】
  3. 経費にできないもの一覧【注意すべき支出】
  4. 家賃・光熱費・通信費などの按分計算とは?
  5. 経費にできる境界線を具体例で解説
  6. 領収書・レシートの保管ルール
  7. 経費を記録するおすすめツール
  8. 青色申告で経費を最大限活かす方法
  9. 税務署に否認されやすい経費の特徴
  10. まとめ:経費を味方につければ副業の税金は怖くない

1. 副業における「経費」とは?基本の考え方

国税庁による定義はこうです。

「その年の所得を得るために直接必要な費用」

つまり、収入を得るために使ったお金は、原則として経費になります。

ポイント

  • 「副業に関連しているか」が最重要
  • 「プライベート利用分」は除外
  • 明確に説明できる支出はOK

例:

  • Webライター → 執筆用PC・ネット回線・参考書籍
  • せどり → 商品仕入れ・発送資材・交通費
  • デザイナー → Adobe代・モニター・タブレット

2. 経費にできるもの一覧【ジャンル別】

💻 在宅ワーク・PC関連

経費項目内容注意点
パソコン・タブレット副業用のPC・iPadなど私用と兼用なら按分(例:50%)
ソフトウェア利用料Adobe・Canva・Officeなど月額課金もOK
周辺機器マウス・キーボード・ヘッドセット副業用のみ計上
外付けHDD・SSDデータ保存用必要性が説明できる範囲でOK

🌐 通信費・サブスク

経費項目内容注意点
インターネット回線在宅ワーク利用分家庭用なら按分(例:30〜70%)
スマホ代副業での通話・通信分明細を残すと安心
クラウドサービスGoogle Drive・ChatGPTなど副業利用目的がある場合OK

🏠 自宅関連(按分経費)

経費項目内容注意点
家賃副業用の部屋・作業スペース面積比または時間比で按分
電気・ガス・水道副業利用分を按分電気代のみでもOK
家具・デスク・椅子作業用設備私物兼用なら半額など

📚 教育・情報収集

経費項目内容注意点
書籍・参考資料業務関連書籍小説などは不可
セミナー・講座副業スキル向上のため明細・テーマを残す
オンラインスクール動画編集・マーケ講座など領収書を保管

🚗 交通・交際・雑費

経費項目内容注意点
電車・バス代打ち合わせ・撮影・仕入れなどSuica履歴でも可
郵送・配送費商品発送・資料送付など領収書を必ず保管
打ち合わせ飲食費クライアントとの会食など同席者・目的を記録
文房具・日用品ノート・プリンタインクなど使用目的を明記

3. 経費にできないもの一覧【注意すべき支出】

項目理由
家族や友人との食事業務関連性がない
私用の旅行・娯楽副業に直接関係しない
通勤交通費(会社)会社側が負担済み
家族のスマホ代業務利用がなければ不可
趣味用アイテム「業務関連」と説明できない

税務署に「副業とは無関係」と判断されると、経費が否認され、追徴課税になることもあります。


4. 家賃・光熱費・通信費などの按分計算とは?

副業とプライベートが混在する費用は、「按分(あんぶん)」して経費計上します。
按分とは、副業に使った割合だけを経費とする方法です。

計算例

自宅家賃8万円・仕事部屋が全体の25%の場合
→ 8万円 × 25% = 2万円を経費に計上。

通信費も同様に「仕事利用時間割合」で計算します。
(例:1日8時間利用中4時間を副業=50%経費)


5. 経費にできる境界線を具体例で解説

グレーゾーン支出判定理由
カフェ代○(打ち合わせや作業目的なら)作業記録があれば可
服・スーツ△(動画配信など顔出しありなら)通常の衣服は不可
マウス・椅子使用目的が明確
自家用車ガソリン代△(業務使用分のみ)按分計算要
ゲーム機・ソフト△〜○(レビュー目的なら可)記事・動画制作と関連付け必須

6. 領収書・レシートの保管ルール

経費の証明には領収書やレシートが必須です。
保存期間は**7年間(青色申告)**が原則。

管理のコツ

  • 日付順にファイルまたはアプリで保管
  • メモ欄に「用途」「取引相手」を記録
  • 電子保存(PDF・スマホ撮影)もOK(電子帳簿保存法対応)

クラウド管理なら、freeeやマネーフォワードの領収書スキャン機能が便利です。


7. 経費を記録するおすすめツール

ツール特徴
freee銀行・クレカ連携で自動記帳
マネーフォワードクラウド家計簿と副業経理を一元管理
弥生会計オンライン青色申告対応・税理士にも共有可
Notion/スプレッドシート無料で簡易的に記録可能

「記録を自動化すること」が継続のコツです。


8. 青色申告で経費を最大限活かす方法

青色申告をすれば、経費管理の自由度と節税効果が大幅にアップします。

項目内容
特別控除最大65万円控除
赤字繰越最大3年間繰り越し可能
家族への給与「青色事業専従者給与」として経費にできる
電子帳簿保存クラウド管理で書類負担が減る

「開業届+青色申告承認申請書」を出すだけで適用可能です。


9. 税務署に否認されやすい経費の特徴

  • 家族名義の支払いを経費にしている
  • 現金支払いで領収書がない
  • 趣味的・贅沢な支出が多い
  • 事業との関連性が説明できない

「説明できない経費=否認リスク」と覚えておきましょう。


10. まとめ:経費を味方につければ副業の税金は怖くない

  • 経費は「収入を得るために必要な支出」
  • 家賃・通信費などは按分してOK
  • 領収書を残し、説明できるように管理
  • 青色申告で控除+赤字繰越など節税効果大
  • 「業務関連性」があるか常に意識する

正しく経費を理解することで、副業の収益を最大限守れます。
「経費を制する者が、副業を制す」と言っても過言ではありません。


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