はじめに:副業収入が増えたら「税金」は避けて通れない

近年、副業をする会社員が急増しています。
とくに「せどり」「アフィリエイト」「ブログ」「ライティング」などは、スマホ1台から始められるため人気ですが、
実はどれも課税対象の収入です。

✅ 「少しの利益だから大丈夫」は危険
✅ 所得区分を間違えると税金が増える
✅ 住民税の処理を誤ると会社にバレる

この記事では、会社員が副業で得た所得の扱いから、確定申告・経費・住民税の設定方法までを、
初心者でも理解できるように実例つきで詳しく解説します。


目次

  1. 会社員の副業は「所得区分」で課税が変わる
  2. せどり・アフィリエイトの税金区分早見表
  3. 確定申告が必要になる条件(20万円ルール)
  4. 経費にできるもの・できないもの
  5. 開業届と青色申告の関係
  6. 住民税の申告と「会社にバレない」方法
  7. 税金の計算例(年間50万円/100万円稼いだ場合)
  8. よくある失敗と税務署からの指摘事例
  9. 節税・管理のコツ(帳簿・クレカ・口座分離)
  10. まとめ:副業は「事業」として正しく管理するのが最善

1. 会社員の副業は「所得区分」で課税が変わる

まず押さえておくべきは、副業収入がどの所得区分に当てはまるかです。

副業の種類所得区分税金上の扱い
せどり・物販事業所得 or 雑所得経費計上可。継続性がある場合は事業所得。
アフィリエイト・ブログ収入事業所得 or 雑所得ASP報酬など。規模が大きければ事業所得。
YouTube広告収益事業所得Googleから報酬。業務継続性が高い。
メルカリの不要品販売非課税(例外)生活用動産の処分。転売目的なら課税対象。

ポイント:

  • 継続的・反復的に行っているかで判断されます。
  • 税務署は「収益目的の活動=事業」とみなす傾向が強まっています。

2. せどり・アフィリエイトの税金区分早見表

区分せどりアフィリエイト
所得区分事業所得 or 雑所得事業所得 or 雑所得
収入計上売上総額報酬支払(確定日)ベース
経費例仕入れ・送料・ツール費・交通費サーバー費・ドメイン・外注費・通信費
消費税売上1000万円超で課税同左
青色申告可能可能(開業届提出要)

3. 確定申告が必要になる条件(20万円ルール)

会社員でも副業の所得(=収入−経費)が20万円を超えると確定申告が必要です。

ただし、「申告不要」は所得税だけの特例
住民税は別途申告義務があります。

判定基準条件
所得税副業所得が20万円以下 → 申告不要(例外あり)
住民税金額に関係なく → 原則申告必要

※「源泉徴収票が2枚ある人(Wワーク)」や「雑所得20万円超」は必ず確定申告。


4. 経費にできるもの・できないもの

経費にできる代表例

項目対象例
通信費Wi-Fi・スマホ料金の按分分
交通費仕入れ・打合せ・発送手続き
備品PC・撮影機材・プリンタなど
消耗品梱包資材・文房具・インクなど
外注費記事ライター・デザイナー報酬
サービス費サーバー・ASP利用料・サブスク管理ツール

経費にできないもの

  • 家族の生活費(食費・家賃全額など)
  • 個人的な買い物・私的旅行
  • 明確に業務と関係がない支出

5. 開業届と青色申告の関係

副業でも、事業として継続的に収益を上げる場合は「開業届」を出しておくと有利です。

項目内容
開業届税務署に提出(個人事業の開業・廃業等届出書)
青色申告承認申請書同時提出で最大65万円控除が受けられる
提出期限開業日から2か月以内
メリット経費計上拡大・赤字繰越・家族給与経費化・節税効果

ポイント:
アフィリエイトやせどりを「本格的に」やるなら、青色申告が断然おすすめ。
会計ソフト(freee、マネフォ)を使えば自動化可能。


6. 住民税の申告と「会社にバレない」方法

副業が会社に知られる最大の原因は住民税通知です。
会社員は「特別徴収(会社経由)」が原則のため、副業分が合算されると税額増加で発覚します。

対策:住民税を「普通徴収」にする

確定申告書の「住民税に関する事項」で以下を選択:

「自分で納付(普通徴収)」に✓

この設定をすれば、

  • 本業:会社経由(特別徴収)
  • 副業:自分で納付(普通徴収)
    に分離され、会社に知られません。

7. 税金の計算例(年間50万円/100万円稼いだ場合)

副業所得所得税住民税合計税負担手取り(概算)
20万円約2,000円約10,000円約12,000円約188,000円
50万円約25,000円約50,000円約75,000円約425,000円
100万円約80,000円約100,000円約180,000円約820,000円

※経費を除いた後の「所得」ベース。
副業は経費で所得を圧縮できるため、実際の税負担はかなり軽減可能です。


8. よくある失敗と税務署からの指摘事例

ミス結果回避策
せどりの仕入れを経費に入れ忘れ税金過大に在庫管理台帳を必ず作る
アフィリエイト報酬を振込ベースで計上翌年ズレが発生発生日(成果確定日)で計上
経費領収書を紛失認められないクレカ明細・電子データで保存
開業届を出していない青色申告不可早期提出がベスト
普通徴収にし忘れ会社に通知される確定申告時に必ずチェック

9. 節税・管理のコツ(帳簿・クレカ・口座分離)

① 事業用口座・クレカを分ける

→ 私用と業務を分けることで経費整理が簡単。

② クラウド会計を導入

→ freee・マネーフォワードで自動仕訳&確定申告書を自動生成。

③ 家事按分を活用

→ 自宅作業スペース・ネット費用などを按分して経費化。

④ 青色申告特別控除を最大活用

→ 電子申告(e-Tax)で65万円控除。実質的に税率を1段階下げる効果。


10. まとめ:副業を“副業”として処理するのはNG。正しく「事業化」すべき

  • せどり・アフィリエイトはどちらも課税対象の収入
  • 所得区分は「事業所得」で扱うのが節税的にも有利
  • 開業届+青色申告で最大65万円控除
  • 住民税は普通徴収にして会社バレ防止
  • 経費・帳簿・仕訳をクラウド化して自動管理

副業は「隠す」ものではなく、「正しく管理して税務的に守る」もの。
副業を本格的な“資産形成”へ変える第一歩として、
税金・帳簿・申告の流れを理解しておくことが今後の安定につながります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 副業の利益が10万円程度でも申告が必要?
→ 所得税は不要でも、住民税の申告は必要です。

Q2. せどりで赤字だったら?
→ 申告しておくと翌年以降の黒字と相殺できます(青色申告限定)。

Q3. アフィリエイト収入はASP振込時で計上?
→ 成果発生日が原則。振込基準ではなく発生基準で管理。

Q4. 開業届を出さないと会社にバレる?
→ 開業届自体は会社へ通知されません。住民税の設定が重要。


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