はじめに:副業を始めたら避けて通れない「確定申告」
副業をして一定の収入を得た人が、必ず直面するのが「確定申告」です。
毎年2〜3月にニュースでよく聞く言葉ですが、実際に何をどうすればいいのか、正確に理解できている人は少ないでしょう。
「そもそも確定申告って何を申告するの?」
「どこでどうやってやるの?」
「確定申告を忘れるとどうなるの?」
この記事では、初心者がつまずきやすいポイントを徹底的に整理し、
**「確定申告とは何か」「やるべき手順」「準備すべき書類」**を図解的に解説します。
この記事を読めば、初めてでも安心して確定申告を完了できます。
目次
- そもそも確定申告とは?
- 副業で確定申告が必要な人・不要な人
- 確定申告に必要な書類・情報一覧
- 申告までの流れ【5ステップで解説】
- e-Taxと紙提出どっちがいい?
- 所得税・住民税・国保などの関係を整理
- 初心者がやりがちなミスと注意点
- 無申告のリスクとペナルティ
- 便利な確定申告ソフト・アプリ比較
- まとめ:確定申告は早めの準備がすべて
1. そもそも確定申告とは?
確定申告とは、1年間に得た所得と税金を自分で計算・報告し、納税または還付を受ける手続きです。
国税庁の定義では次のように説明されています。
「1月1日から12月31日までの所得を計算し、翌年の2月16日〜3月15日までに申告・納税するもの」
会社員の場合、本業の給与分は年末調整で完結していますが、副業で得た収入は自分で申告する必要があります。
2. 副業で確定申告が必要な人・不要な人
副業をしている人の中でも、すべての人が確定申告をする必要があるわけではありません。
以下の表で、自分が該当するかを確認してみましょう。
| 区分 | 確定申告が必要なケース | 確定申告が不要なケース |
|---|---|---|
| 会社員 | 給与以外の所得が20万円を超える | 所得20万円以下(住民税申告は必要) |
| 専業主婦・フリーランス | 所得が48万円を超える | 48万円以下(基礎控除内) |
| 学生 | アルバイト以外で所得48万円超 | 親の扶養内(48万円以下) |
| 年金受給者 | 公的年金以外で所得20万円超 | それ以下の場合 |
つまり、**「所得が一定ラインを超えたら申告必須」**というのが基本です。
3. 確定申告に必要な書類・情報一覧
副業の種類によって準備すべき書類は異なりますが、基本的には次のものを揃えればOKです。
| 書類 | 内容 | 入手先 |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 本業の給与分 | 勤務先 |
| 支払調書 | 副業先からの報酬明細 | クライアントやプラットフォーム |
| 収支内訳書 | 収入・経費の記録 | 自作または会計ソフト |
| 領収書・レシート | 経費証拠 | 自分で保管 |
| マイナンバーカード | e-Taxで必須 | 市区町村 |
| 通帳・クレカ明細 | 取引履歴確認用 | 各銀行サイト |
これらをデジタルでまとめておくと申告がスムーズです。
4. 申告までの流れ【5ステップで解説】
確定申告の流れは、次の5ステップで完結します。
ステップ①:収入と経費を集計
副業の売上・報酬額をすべてリスト化し、経費(通信費・仕入れ・ツール利用料など)を差し引いて「所得」を算出します。
所得 = 収入 − 経費
ステップ②:所得区分を判断
- 継続性・独立性がある:事業所得
- 副的・単発的:雑所得
ステップ③:申告書類を作成
国税庁「確定申告書作成コーナー」または会計ソフトで入力。
青色申告(開業届提出済み)の人は「青色申告決算書」も作成。
ステップ④:提出・送信
- 提出期間:翌年2月16日〜3月15日頃
- 方法:e-Tax(電子)/税務署窓口/郵送
ステップ⑤:納付・還付
- 納税はPayPay、クレカ、口座振替などに対応
- 源泉徴収されすぎていた人は還付金が戻ることも
5. e-Taxと紙提出どっちがいい?
| 項目 | e-Tax | 紙提出 |
|---|---|---|
| メリット | 自宅で完結・即時送信・還付が早い | マイナンバーカード不要 |
| デメリット | 初期設定が面倒 | 混雑・郵送リスクあり |
| 還付までの期間 | 約1〜2週間 | 約3〜4週間 |
初心者でも、freee・マネーフォワード・やよいの確定申告などを使えば、e-Tax接続も数クリックで完了します。
6. 所得税・住民税・国保などの関係を整理
確定申告を行うと、次の税金・保険が自動的に再計算されます。
| 種類 | どこに影響するか | 支払い先 |
|---|---|---|
| 所得税 | 国に納める税金 | 税務署 |
| 住民税 | 翌年の住民税に反映 | 市区町村 |
| 国民健康保険 | 所得増で保険料アップ | 市区町村 |
| 国民年金 | 所得に関係なし | 日本年金機構 |
つまり、確定申告をすると翌年の住民税・国保額が変動する可能性があります。
バレたくない人は「普通徴収」を選びましょう(詳細は前記事参照)。
7. 初心者がやりがちなミスと注意点
| ミス | 内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 経費の入れ忘れ | 節税チャンスを逃す | 領収書・レシートを日付順に整理 |
| 経費の入れすぎ | 指摘されるリスク | 業務関連のみ按分して計上 |
| 副業所得の分類ミス | 雑所得 or 事業所得を誤る | 国税庁の基準を確認 |
| 申告漏れ | 住民税・国保に影響 | 所得の種類ごとに整理 |
8. 無申告のリスクとペナルティ
確定申告をしなかった場合、以下の罰金・加算税が発生する可能性があります。
| 種類 | 内容 | 税率 |
|---|---|---|
| 無申告加算税 | 期限後申告の場合 | 5〜20% |
| 延滞税 | 納期限超過 | 最大14.6% |
| 重加算税 | 故意・悪質な隠蔽 | 最大35% |
また、報酬支払者(クライアント)は「支払調書」を税務署に提出しているため、隠しても税務署には伝わっています。
9. 便利な確定申告ソフト・アプリ比較
| サービス名 | 特徴 | 料金 | 対応 |
|---|---|---|---|
| freee | 自動入力・初心者向け設計 | 無料〜月1,480円 | PC/スマホ両対応 |
| マネーフォワード確定申告 | 家計簿連携が強力 | 月980円〜 | スマホ中心 |
| やよいの青色申告 | 会計機能が充実 | 無料プランあり | PC中心 |
| 国税庁e-Tax | 無料だが操作が難しい | 無料 | PC限定 |
初心者には、freee or マネーフォワードが最も使いやすく、電子申告対応もスムーズです。
10. まとめ:確定申告は早めの準備がすべて
- 副業での所得が一定額を超えたら確定申告が必要
- 20万円ルール・48万円基準を理解しておく
- 「普通徴収」で会社バレを防ぐ
- 領収書・帳簿整理は年内から始める
- freee・マネーフォワードなどのツールを活用
確定申告は「やるか・やらないか」ではなく、正しく準備すれば誰でも安全にできる手続きです。
早めに整理して、安心して副業を続けましょう。

